有名アイドルと大関がお似合いとの話題について思うこと

お二人はお似合いだから、結婚したらいいのにとの周囲からの声に対して、「私の人生、私が選ぶ」と言った元AKBの秋元さんにすごく共感しました。

まあ、これは有名人ならではの現象だとは思いますが、実は私、これに通じる様な目に遭った事があるのです。

もう何十年も前に勤めていた時の話ですが、そこで勤務していた後輩の女の子がありがたいことに私に好意を持ってくれたのです。

で、その職場はおばさんが多かったわけです。

何故かおばさんというのは、人の世話をして喜ぶという人が多いんです。

それで、おばさん達は長年の人生経験から、その後輩が私に好意を抱いていることを見抜き、総がかりで二人をくっつけようモードに入ってきたわけです。

私は後輩を、純粋に後輩として可愛く思っていて、後輩として可愛がってはいました。仕事に役立つ学びの場に一緒に連れて行った事もあります。

それに好意を持たれるということは、嬉しいものです。

でも嬉しい気持ちと、恋愛感情を混同してはいけません。

ところが周りから、なぜ付き合ってあげないのか。付き合ってあげなよ。いい子だよ。お似合いだよ。と言われ続けると、もともと後輩としては「可愛い存在」だったので、ある種の洗脳効果が働くんです。

「付き合うべきなんかなぁ」とか思ってしまうんですよ。

で、私はある日何かの聞き間違いから、その後輩が誰かを紹介されると勘違いしてしまったのです。

洗脳効果が出てきていた私は、後輩がその人と付き合うことになったら、もう一緒に学びに行ったり気楽に談笑もできなくなるなと思うと急に寂しくなり、その気持ちと可愛く思う気持ちが合わさり、恋愛感情だと思いこんだんです。

自分自身が恋愛感情を持っているなら付き合って然るべきだと思い、結局その後輩と付き合う事になり、やがて結婚にまで至りました。

しかし、私が後輩に対して可愛いと思っていたのは、後輩が若さゆえに持つある種の未熟さ故だったわけです。

親が子どもの未熟な面を可愛く思うのと似たものです。

一緒に暮らすと何かにつけ価値観の違いの大きさに直面することが増え、どうもカップルというにはバランスがとれていなさすぎることを感じるようになりました。

価値観が違えば器の大きさも違うので、一方にはチャンスと思えることが、一方には危険としか感じられなかったりすることなども起きてきます。

結婚とほぼ同時に起業への立ち上げメンバーとして参加して希望に胸を膨らませる私に対して、後輩は立ち上がっていない不安を口にし続け、不安は不満となり、私はその旨を法人設立者にも相談せざるを得なくなり、結局そのプロジェクトから離脱することになりました。

その後、急いでとりあえずの転職をし入社してから自身の性質に合っていない会社であったことに気づきましたが、それによる辛さを妻である後輩に相談しても辞めないでほしいの一本槍で、だんだんとストレスが蓄積されていきました。

一方のストレスは伝染し双方のストレスになります。

やがてその会社は閉鎖され、そこの上司が一緒に事務所を運営するスタッフとして私を呼んでくれました。しかし、その事務所の費用は皆で折半です。その話を聞いた途端、後輩は頭を冷やしてくると言って家を出ていきました。

それ以降、価値観の違いによる口論が増え、決定的だったのは後輩が子どもは要らないと明言したことで、それが引き金で結局離婚に至ってしまいました。

子どもを作ろうとしたけれど、子どもが出来なかったというのは全然問題ではないです。私にとって「子どもを作らない」ありきの夫婦は考えられなかったのです。

年下の後輩は「自分は小さい」「(旦那である私と)同じようには考えられない」「こんな自分、捨てたい」などと言っていました。でもこれはどちらが悪いというものではなく、組み合わせが悪かったのです。

その反面「あなたみたいな人と結婚してくれる人なんておらへんわ」などと言うこともありました。私の価値観は元妻にとっては相当受け容れがたいものだったのでしょう。

でも、結局私はその後に再婚して一児の父親となっているわけですので、結婚してくれる人もいたという事で、人の言葉や考えは価値観で作られており普遍性のないものだと実感しています。

もし私が元妻の言葉を真に受けて、自信喪失してセルフイメージを下げきってしまっていたら今頃は違う人生を歩んでいたかもしれません。

ともあれ、おばさん達にけしかけられていた頃の私に秋元さんの様な聡明さがあれば、元妻にも人生の回り道や苦労を味あわせずに済んだのではないかと思います。

でも秋元さんも言いづらかったのではないでしょうかね。事実上、大関に対する「ごめんなさい」ですもんね。高安関もなんかお気の毒な感じがします。周囲がこんなことにならなければ、二人もこうならずに済んだことでしょう。

元妻との結婚式で仲人を務めてくれた同じ職場の親友は、二人が離婚して後に「人は周りがくっつけるものではない」としみじみ語った言葉が今も耳に残っています。

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