いわゆるカミングアウトですね
カミングアウトと言えばもう十数年も前に世に出始めた言葉ですね。
あの頃は同性愛者が自身がそうである事を世間に公表する事の様なニュアンスで使われることがもっぱらでした。
時が過ぎ、今では自身が言いにくい事、秘匿している事を強い決断でもって周りに伝える事全般に使われています。
その世の流れを見て、私も機は熟したかと思いADHDのことを職場にカミングアウトいたしました。
いや、かっこよく言い過ぎました。世の流れとか、機やら柿やらが熟したとかは全く関係ございません。
クリニックの先生は「世の中には叱られながらなんとか仕事している人なんていっぱいいるんだから」「障害者雇用だと給与が大きく減り、生活も大変苦しくなる」と、私にクローズ(職場に自身の障害の事を伏せて働くこと)でいることをすすめてくれていました。
もう半年弱クローズできましたが、考えていたら訳が分からなくなってきてしまうんです。
凸凹なパラメーター
私はADHD故なのかハマる職業とハマらない職業との差が大きいことは自覚していました。
なので、色んな立場の人の気持ちが一般の人よりも少しだけ良く分かるのだと思います。
分かり易い例で言えば、管理職としてスタッフを指導する立場も経験していますし、その反対に現状の様に一般的な基準よりも多く指導されてしまう(よく叱られる)経験もしています。学校時代からも含めアホなキャラのせいか人気者になる事が多かったですが、辛い苛めにあったこともあります。
まあ、ADHDのお陰で役者の様に色んな人生を体験出来ています。
今の職場でも叱られるストレスは勿論あるけれども、叱る側にだってストレスがあるでしょう。叱る時の嫌さを私は経験しているのでそう気持ちを読んでしまいます。
そんなことも考えて先生にオープン(職場に障害の事を告知する)にしますと伝え、診断書を書いてもらいました。
診断書って象徴的だなぁと思いますね。なんというか、水戸黄門の紋付き印籠みたいです。その紙切れ一枚で周りの対応がガラッと変わります。と言うか、カミングアウトで変わるのですが、その為には証拠を要求される場合があるので。
なんにせよ、オープンしてからは上司もチーフも対応がハッキリ変わりました。感情的にならなくなりました。チーフは隣の同僚の子に「(失敗ばかりで)おかしいなと思っててん」と喋っています。
これまでの私もこれからの私も同じ私ではあるのですが、オープンを境に職場の中での私の扱いは変わりました。いや、変えていただけました。印籠などと診断書を揶揄しましたが、対応が変わるというのは、やはりハンデを持つ者への理解が周囲の方々にあるからこそです。そこは、ただただ感謝です。
今までとは違う戦いが始まる気配
さて、でもこれからです。発達障害があるからと言って、単純に仕事を減らせば良いというものではないです。最初から障害者雇用をしていたわけではないので、給与が当たり前ですが一般雇用枠と同じです。では、私は作業量が減り、周囲は作業量が増え、給与は変わらず皆同じ・・・。
皆の深層意識に不満の種火を投下完了です。
上司ではなく同僚たちが素直に聞いてきました「発達障害がある事はいつ分かったの?」と。
「5カ月以上前」と答えると、「え~!!あかんやん!」「ついこの間分かって今こうしたドタバタになっているのかと思ったのに、ずっと前から言わずにいたのはまずいやろ」と即カウンター。
同僚達にはクローズやオープンのことを話し、「これまで一般雇用枠で生きてきて家庭も持ち、生活基盤も作っている自分は、障害者年金も貰っているわけではないし、突然に障害者雇用枠になっても生活できない。家庭を支える責任もある。この年齢になれば、自分のような適性にあった一般枠での就職はそうあるものではない。薬も飲んだが合わなかった為、行動療法とカウンセリングでなんとかしようと頑張ってきた。だが、周囲の状況や自身のストレスのこともあり先生にこれ以上はクローズに出来ないと言って、診断書を書いてもらった。」そう伝えると、理解を示してくれました。
でも、自身の中で適正に会う仕事が見つかれば移るべきだとは思っているわけです。ただ、就職先だけ先に受かっておいて、急に現在の職場を去るようなことはしたくないので、それもオープンにした理由です。
今のところは上層部も私の事を様子を見てみましょうと言ってくれていると上司から聞きましたが、この展開はまだまだ予断が許せません。
どうも結果オーライでいくしかないのですが、展開がありましたらまた折に触れてブログに書いていきますね。