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焼き鳥の肉を串から外すと外さぬとでは味が変わる理由
TV番組「所さんの目がテン!焼き鳥大ブームの秘密」で、焼き鳥は串に刺したまま食べた方と、串から外した方とではどちらがおいしいか?と言う検証がなされました。
その結果以下の五つの理由により、串から外さずに食べた方がおいしいという結論が出ました。
1.鶏肉の繊維は横向きで串に刺されている。串の先から噛もうとすると、噛むときの歯の並びと肉の繊維が平行になるので柔らかくなる(機械の測定でも繊維に対して縦と横とでは切断する力に2倍の差が実証)
2.串の一番上に最大の鶏肉が刺されてあり、下にいくほど鶏肉が小さくなるので食べた満足感がある
3.串の先の鶏肉への塩のふりかけ量が多めなので味に変化がつき最後まで飽きずに食べれる
4.バラバラにすると温度が冷め易くなる
5.バラバラにすると肉汁が2倍漏れてしまう
「所さんの目がテン!焼き鳥大ブームの秘密」11/26放送内容より引用
となりましたが、見ていてなるほどと思ったところと、腑に落ちなかったところとがありました。
番組の検証結果が腑に落ちない点
まず1番目の理由は串の前半部分までは先っちょの方から口に入れられます(歯の並びと肉の繊維が平行)が、後半はのどちんこが串刺しになりますので串を横にして食べますし、人によれば最初から横から食べる人もいます。ですので、確かに噛みごたえに差はでるかもしれませんが、串で食べた方がおいしいとする決定的な要因ではなさそうです。
2番目の理由である串の一番上の鶏肉が一番大きいというのはここの焼き鳥屋さんに限る話ですよね。今迄に私が食べてきた焼き鳥は串の上から下まで肉の大きさは同じでした。ですのでこれも要因としては違いますね。
でも、うまいやり方だなとは思いました。
番組に出てきた焼き鳥屋さんの串は一番上の鶏肉が一般的な焼き鳥の肉よりも大きく、その分一番下の肉は一般的なものよりも小さかったんです。
串一本の鶏肉の総量は同じでも、一口目が大きいとお客さんが「大きい肉だな」と感じ確かに満足感も増えそうです。
一口目というのは食べたさマックス時のタイミングですからね。串の最後の肉が少々小さくても、一口食べて取りあえず落ち着いている口にはOKなんです。
3番目の理由である一番上の鶏肉に塩を多めに振るというのも、そうしている焼き鳥屋ばかりとは限らないでしょう。それに塩味ではなくタレ味なら当てはまらないですし。なのでこれも理由としては弱い。
4番目の理由の串から抜くと温度が冷めやすくなるというのはどうでしょう?私としてはこれがひとつの正解だと思います。
5番目の理由の肉汁が漏れてしまうというのも影響ありと思います。
しかし、他にも理由はあると思います。
美味しさが違って感じる別のディープな理由
それは「気分」です。
串から抜くことにより、見た目や口への運び方が変わり味わいが影響されているんです。
例えばポテトチップスでも手でつまんで食べるのと、箸でポテトチップスを挟んで口に運ぶのとでは手でつまんで食べた方が美味しく感じるのではないでしょうか。
食事と言うのはある種のダイナミックさがある方が美味しく感じるものです。
スイカもその一片に直接くらいついて食べるのと、メロンみたいにスプーンでえぐりながら一口サイズごとに食べるのとでは味わいが異なります。
チキンの骨付きもも肉もナイフで切ってフォークで食べるよりも、もも肉にかぶりついて食べた方が美味しいと私は感じます。
直接食らいついた方が食べ物の汁がこぼれにくいというのもありますが、ポテトチップスの話はそれには当てはまらないですし、思うにこれは原始時代なのか、或いはそれ以前からのDNAに染み付いた記憶なのかは分からないですが、直接指で口に運んだり、食べ物に直に食らいついたりとダイナミックに食べていた頃(原始時代レベル)の感覚により近い食べ方の方が、食と言う本能的な行動には脳がよりしっくりくる為なのではないかと考えます。
焼き鳥の美味しい温め方
なかなか我ながら興味深い見解に至りましたが、最後に番組で教えてくれた焼き鳥の美味しい温め方を自分でも試してみましたので番組を見逃した方の参考に写真をまじえて載せておきます。
まず焼き鳥をクッキングシートに乗せます。
イオンモールの総菜屋さんで時間が経って二割引きで二本で150円ほどで売っていた焼き鳥は、いい感じに冷えて硬くなっております。
二つ折りにしたクッキングシートに焼き鳥一本を挟みこむようにしてサンドイッチの様な感じで包みます。串の前後は折込みます。
完全に包み込まずに写真の様に焼き鳥が見えるようにしてください。
そして500Wで30秒ほど温めます。本数や肉の質やサイズによって時間は加減してください。
出来上がり写真です。
一番上の写真と見比べていかがですか?
肉汁が表面に復活しているのがお分かりになるかと思います。炭焼きの匂いも復活していました。
ラップで包んだ時の様に水っぽくはならないし、何にもくるまず直接レンジに入れた時の様に乾燥しすぎたりもせず、丁度いい感じで温めることが出来ます。
そして番組ではフライパンを使った更なるグレードアップ版の温め方も紹介されていました。
まず、フライパンに並べた焼き鳥を温める前に、焼き鳥に日本酒をかけて日本酒が沸騰したら蓋をして蒸します。
最後に蓋を開けて両面に焼き目をつけて出来上がり。
すると、アミノ酸と糖が化学反応しうまみが増して、お惣菜屋の焼き鳥も高級店並みのワンランク上の味になるとのことです。
これはまだ試していませんので、今度試すのを楽しみにしています。