先入観は味覚をも左右する

あなたはお好み焼きにはソースだけでなくマヨネーズもかける派ですか?

私はかける派です。たこ焼きにもかけます。

ソースとマヨネーズが絡むとクリーミーでコクのある味になるのが好きなんです。

でも、私がお好み焼きにマヨネーズをかけるようになったのは、小学5~6年生頃だった様な気がします。

もう40年ぐらい前ということになりますか。

その頃私が食べに行っていたお好み焼き屋さんは2軒ほどでしたが、そのどちらにもマヨネーズが置いてありませんでした。まだ常識としてお好み焼きにマヨネーズというのが、お店側にもお客側にも浸透していなかったんです。

ある日、学年で言えば5つ上の兄が私を少し遠いお好み焼き屋さんへ連れて行ってくれました。そこにはマヨネーズ一袋30円(だったかな?)との値札が壁に貼ってありました。まだ、マヨネーズがソース程当たり前のものだとの意識が浸透していなかった時代、マヨネーズはスペシャルな別売品だったのです。

私は兄に「お好み焼きにマヨネーズってなんか気持ち悪い。お金払ってまで頼む人なんてそんなにいてるかなぁ。」と言うと、兄は既に試していた様で「いや、それがな。この前マヨネーズつけて食べてみたらなかなかうまかったで。」と返答。

好奇心旺盛の私はその場で試してみました。人生初のソースwithマヨネーズお好み焼きを恐る恐る口に運び味わうと、気持ち悪いという先入観が一瞬私の頭に混乱をきたした後「ん?これは、どうゆう味や?いつもの知ってるお好み焼きの味とは違うけど・・・。」「うん。でもこれはこれで美味しいな。」とマヨネーズお好み焼きのデビューを無事終えました。

初日はそんな感じでしたが、次の時もマヨネーズをかけて食べると、前回と違い脳がソースwithマヨネーズ味にスタンバイ出来ていたので混乱も起こさず、よりニュートラルに味わえたのか前回よりおいしく感じました。そして三回目に行ったときにはマヨネーズ付きの方が美味しいと完全に逆転してしまいました。

これに似た現象がある事を思いだしました。大阪には道頓堀神座(かむくら)と言うとても繁盛しているラーメン屋さんがあるのですが、お店の箸袋か何かに「1回目食べた時は違和感を感じ、2回目に食べた時はこんな味だったかな?となり、3回目に食べた時はこんなに美味しかったのかとなります」みたいなことが書いてありました。

神座のラーメンは一般的なラーメンによくある濃い味、こってりした味とは違う、何回食べても飽きない味。ヘルシーな味なんです。それが、一般的ラーメンモード脳になっている舌には違和感を感じさせるんですが、結局その後は病みつきになる人が続出してこの繁盛ぶりです。勿論、なかには一回目から病みつきになる人もいらっしゃるようです。

これって私のお好み焼きストーリーと同じだなぁと気づきました。私は三回目にしてマヨネーズがお好み焼きのマストアイテムになりましたが、私の兄は最初からマヨネーズお好み焼きの魅力に目覚めていましたし。勿論、マヨネーズのあるお好み焼きしか知らない世代の人は、それが最初からの脳内情報になっていますので当てはまりませんが。

何事も先入観というのは世界を狭めますが、味の世界は如実にそれを感じさせてくれます。

ちなみにほうれん草とケチャップってイメージでは合いそうにないでしょ?でもほうれん草のソテーにケチャップをつけて食べるとなかなかいけるんですよ。

あと、卵かけご飯には基本醤油ですよね。ある日冷蔵庫を開けると生卵はありましたが、醤油がなかったので追い鰹つゆを代わりに使ったんですね。熱々のご飯にかけてしっかり混ぜて食べてみたところ、気づきました。「これは釜玉うどんの味や~!」と。

めんつゆは色んな料理に応用しやすいですが、これも美味しかったですね~。

よかったらお試しあそばせ。

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